GENOME Journal

(厚労科研)「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社会環境整備」研究班

第2回 ゲノム交流会を終えて

第2回ゲノム交流会「ゲノム医療と難病」へご参加くださった皆さまありがとうございました。

第1回開催からご参加いただいているSBMAの会の代表、田幸康宏さんからは冒頭でゲノム交流会へ当事者や市民が交流会へ参加しゲノム医療を学んでいくこと、医療者や研究者とフラットな立場で意見交換が出来る場が大切であることをメッセージとして頂戴しました。
当事者の声をもっとたくさん聞きたかったとのお声もいただいておりますので、また改めて当事者の皆さんにお話しいただく機会を作っていきますね。

今回のテーマに沿った講義では、認定遺伝カウンセラーの秋山奈々さんよりお話しいただきました。秋山さんからは、知っておきたいゲノムと遺伝のこととして「ゲノムの変化と遺伝性疾患」について、とてもわかりやすくご解説いただきました。


いくつもお伝えしたい内容はございますが、
発表の中で「難病のゲノム医療が目指していること」として

・どんな疾患なのか知ること
・疾患のメカニズムを知ること
・創薬や治療に結びつける
・医療費助成等に結びつける
・患者やそのご家族が医療・福祉・同じ疾患をもつ仲間と繋がるきっかけにしたい

そして、網羅的な解析が進んだとしても必ずしも診断がついたり、お薬がみつかるわけではありませんが、成人の未診断疾患の診断率も向上した海外のデータを例をお示しいただき、お話しくださいました。とても大切なポイントと大きな希望ですね。


♪交流会を終えた後に、実際にお話しくださった秋山さんからお話しを伺いました♪

今回、お話しいただくにあたり、どのような準備をされましたか?

  難病の全ゲノム解析という大きなテーマだったので、まず「遺伝子とは?全ゲノムとは?」とういう知識の部分を皆さんと一緒に勉強させていただきました。遺伝子やゲノムという言葉はなかなか普段の生活の中で頻繁に出てくるものではないので、まずはざっくりとしたイメージを共有できるように、と準備を進めてきました。
  この領域の医療に対してはそれぞれの人が様々な考えや意見、思いを持っていると思います。均一にまとめることができないからこそ、しっかり話し合うこと、お互いを理解したいという気持ちをもつことが大切になるのかな、と感じています。

 

オンラインでの開催となりましたが、交流会に参加されたご感想は?

  直接お会いすることが難しい環境ではありますが、オンライン開催になったことで住んでいる場所の制限なく顔を合わせてお話できるようになったことは、プラスの面でもあるのかなと感じています。まだまだ、話足りないこと、お話をもっとお聞きしたいこともたくさんあり、これからも皆さんと一緒にゲノム医療のこと、遺伝医療のこと、その医療をどう考えるかということを話し合って形にしていきたい、という思いがより一層強くなりました。


皆さんへ何かメッセージはございますか?

  認定遺伝カウンセラーとしては小児専門病院と大学病院での仕事を経験してきましたが、今回の交流会では医療の現場を離れて、皆さんから率直なご意見やそれぞれの立場で考えていることをお聞きでき、たくさんのエネルギーをいただけました。ありがとうございました。

こちらこそありがとうございました。
またファシリテーターとして是非ご協力お願いいたします。
  はい。また交流会でお会いできることを楽しみにしております。



第2回は、ゲノム医療と難病がテーマでしたが、
難病でも、がんでもゲノム医療が進むにつれ、倫理的、法的、社会的課題(ELSI)や二次的所見の開示に対する問題等々、検討する課題はいくつもあります。
今後もゲノム交流会ではテーマを絞り、患者・市民・医療者・研究者の皆さまと一緒に考えていきたいと考えています。