GENOME Journal

(厚労科研)「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社会環境整備」研究班

第5回 ゲノム交流会「ゲノム情報から診断をめざす」―全エクソーム検査とは?―

ゲノム交流会
「ゲノム情報から診断をめざす」―全エクソーム検査とは?―

 

第5回 ゲノム交流会のテーマはゲノム情報から診断を目指す(全エクソーム検査)となります。ゲノム交流会では、全エクソーム検査の解説動画をご視聴いただき、現在の遺伝子の検査の種類や状況、また得られた遺伝情報の扱いについて解説いたします。検査に期待すること、診断がつくことの意味などについて皆さまと一緒に広く考える機会になればと思っています。全エクソーム検査を受けた方、検討された方に限らず、どなたでもお気軽にご参加ください。


開催日時 2022年5月21日(土) 14:00〜16:00(予定)
開催方法 オンライン(Zoom)
参加申込 https://forms.gle/MiBj5shhk2DBcBRYA
事前申込必要(定員になり次第締切ます)
参加費無料

14:00 開会挨拶
14:10 ミニ講義
休憩
グループディスカッション
総合討論
16:00  閉会予定

「遺伝子の検査の種類と現状」

川目 裕(東京慈恵会医科大学附属病院 遺伝診療部)

多くの診療科において遺伝情報(ゲノム情報)を用いた診療が始まってきていま
す。指定難病の半数以上が主に遺伝要因が関連することより、現在、170を超え
る疾患の遺伝子診断が保険適用になっています。正確な診断は治療や健康管理を
含む全ての医療の始まりであり、多くの遺伝子診断が積極的に提案され実施され
るようになりました。一方、遺伝情報は、生涯変化しない、血縁者とも共有する、
将来の疾患の発症を予測することができるなどの特徴があり、遺伝子の検査(遺
伝学的検査)を実施するにあたっては、事前の遺伝カウンセリングが大切です。
今回、私からは、現在可能となった遺伝子の検査の種類、状況、また得られた遺
伝情報の扱いについて解説します。遺伝子の検査の意義と意味について皆さんと
お話しできれば幸いです。

「すべての遺伝子を調べる全エクソーム検査とは?」

原田佳奈(東京慈恵会医科大学附属病院 遺伝診療部)

日常診療の中で、いろいろな検査を行ってもなかなか診断に至らないとき、一度
に多くの遺伝子を調べて診断に迫ろうというアプローチ法があります。20,000種
類以上ある遺伝子すべてを幅広く調べることで、症状の原因をつきとめ、患者さ
んの診断の手がかりを得ることを目的とした検査があり、これを「全エクソーム
検査」といいます。全エクソーム検査は、日本では2015年から研究として実施さ
れています。
私たちの研究では、全エクソーム検査を検討されている患者さんやご家族に向け
て、検査についてよりよく理解いただくことを目的とした動画を制作しました。
今回のゲノム交流会では、動画を実際にご覧いただき、このような検査の意義
や、検査に期待すること、診断がつくことの意味などについて広く考える機会に
したいと思っています。全エクソーム検査を受けた方、検討された方に限らず、
どなたでもお気軽にご参加ください。

 

【主催】
厚労科学研究「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社会環境整備」研究班 代表者(ゲノム交流会責任者)小杉眞司
第5回ゲノム交流会主幹事 川目 裕
ゲノム交流会運営管理 山田崇弘
コーディネーター 太宰牧子