皆さま、こんにちは。
認定遺伝カウンセラーの十川麗美です。いつもは、岡山大学病院臨床遺伝子診療科で遺伝医療に携わっています。今回は、私が企画制作いたしました、まんが教材「遺伝カウンセラーと学ぶ『がんゲノムを知ろう!』~「遺伝子」と「がん」のおはなし~」についてご紹介いたします。
高校生以上の市民を対象に「がんゲノム」に対する啓発活動を目的として、親しみやすいツールのまんが教材を企画いたしました。
本教材は手に取ってくださった方が「遺伝」や「がんゲノム」に興味を持つきっかけとなり、将来自分や身近な人が「がん」になった時の一助となることを願って企画しました。
また認定遺伝カウンセラーの仕事も知っていただき、「遺伝カウンセリング」を必要な際には活用してほしいと思います。
まんがを描いていただいたのは漫画作家のえのき ろうちょうさん、他にも京都精華大学(京都国際マンガミュージアム)や、京都大学の臨床遺伝専門医をはじめ多くの方にご協力いただきました。
制作の過程で、一般市民向けイベントにまんがの下書きを公開し、市民の意見を取り入れたり、アンケート調査を実施後、結果をもとに修正を行い最終版が完成しました。
高校生対象にアンケート調査も実施しました。
対象者は私立高等学校1年生124人、回答数:99人でした。(調査手順:無記名自記式質問紙調査の群内前後比較デザイン)その結果、87%(86/99人)が教材を「わかりやすかった」、91%(90/99人)が「高校生が遺伝子とがんの関係に関心を持つのに役立つ教材となる」と回答してくださったので嬉しかったです!
このまんが教材開発は、AMED「医療現場でのゲノム情報の適切な開示のための体制整備に関する研究」(研究代表者:小杉眞司)の研究事業として実施されたものです。全国医療機関50か所以上で配布され、無料で患者や市民の皆様へ配布されました。現在では、日本医療研究開発機構(AMED)HPからも閲覧できます。
URL:https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20190917.html
是非、ご覧になって感想をお聞かせください!
[引用]十川 麗美,和田 敬仁,小杉 眞司 他.
がんゲノム医療に対する一般市民のリテラシー向上を目的としたま んが教材開発. 日本遺伝カウンセリング学会誌. 40(2) 76 - 76 2019.